クラウドワークスは、仕事を外注する手段として多くの企業や個人に利用されています。
また、企業に外注するよりも安く費用を抑えられると人気のクラウドソーシングサイトです。
しかし、ワーカーには個人で活動されている方が多く、品質にバラつきがあり、思った通りの成果物が得られないケースも少なくありません。
本記事では、クラウドワークスでの発注時に注意すべきポイントやトラブル事例を紹介します。
【形式別】クラウドワークスの品質の良し悪し

クラウドワークスにはプロジェクト形式、コンペ形式、タスク形式の3つの主要な仕事形式があります。
ここでは、各形式の特徴とそれに伴う品質の違いについて解説します。
プロジェクト形式
プロジェクト形式は、特定の作業や成果物をワーカーに依頼し、契約期間内に納品してもらう形式です。
一般的に、プロジェクト形式は比較的長期間の契約で、ライターやデザイナー、エンジニアなど、スキルが必要な仕事が多く発注されます。
しかし、プロジェクト形式にはワーカーを選考しなければいけないというデメリットがあります。
10人ほどの応募があった際も、その中から最も適した人材を選ばなければいけません。
選考時の受け答えや経歴などは問題なかったとしても、いざ業務が始まると品質が悪かったり、音信不通になる場合があります。
成功させるためには、面談やテストプロジェクトを通じてスキルを確認するなど、採用時の工夫がポイントとなります。
コンペ形式
コンペ形式は、複数のワーカーから提案を募り、その中から最適な提案を選ぶ形式です。
ロゴデザインやキャッチコピーの作成など、具体的なアイデアを形にする仕事に向いています。
発注者は複数の提案から自由に選べるため、比較しやすく、最もクオリティの高いものを選びやすいのがメリットです。
しかし、コンペ形式には注意点もあります。
ワーカーにとって採用されなければ報酬が発生しないため、プロのワーカーよりも副業や初心者が参加することが多くなりがちです。
また、ワーカー側も過去の案件で採用されなかったデザインを使いまわしで応募していることが多く、発注者の意図を汲み取っていない場合があります。
タスク形式
タスク形式は、比較的単純な作業を短時間で複数のワーカーに依頼する形式です。
リサーチ、データ入力、アンケート回答などが代表的な仕事で、数百円単位の報酬で実施されることが多く、短期間で多くのデータを集めるのに適しています。
発注側としては、コスト・手間をかけずにスピーディに完了する利点があります。
ただし、タスク形式は単価が低いため、クオリティが低くなることがしばしばあります。
特に、リサーチ系のタスクでは、信頼性に欠ける情報が提出されることもあり、納品物の質に注意が必要です。
また、仕事の内容が単純である分、AIや自動ツールによる対応が増え、クオリティのばらつきが大きくなる傾向があります。
タスク形式では「否認」という機能もありますが、否認できる割合は全体の30%までと決まっています。
そのため、低品質のタスクが多数来た場合も承諾しなくてはいけない場合があるため注意が必要です。
【体験談】こんなクラウドワーカーがいました

クラウドワークスを利用する際、さまざまなワーカーと接する中で、予想外のトラブルが起きることがあります。
今回は、私が実際に発注者として起きたトラブルをご紹介します。
音信不通ワーカー
契約後に突然連絡が取れなくなり、納品日を過ぎても進展がないケースがありました。
契約完了後、業務詳細について連絡しても、そこから1週間・2週間と音沙汰がありませんでした。
クラウドワークスの場合は個人・匿名で働くことができるため、ワーカー側が責任感を持っていない場合があります。
また、クラウドワークスの運営側も積極的な対処はしてくれず、ただワーカー側に事務的なメール連絡しかしてくれません。
私の場合は、結局タスクの強制終了・払い戻しとなりました。
品質が低いワーカー
品質が低い納品物に悩まされるのも、クラウドワークス利用者にとって避けられない問題です。
例えば、ライター案件では誤字脱字が多い文章や独自性のないありきたりな文章が納品されてしまいます。
特に新米ワーカーや、過去の実績が少ないワーカーの場合、実力が伴わずに納品物のクオリティが期待以下となるケースが多いです。
私の場合は、納品された記事の品質が低く、こちらで大幅な修正・リライトをすることになりました。
AIの回答をコピペするだけ
最近のクラウドワークスでは、AIを利用したワーカーが増えており、中にはAIが生成した文章や回答をそのままコピペするだけのワーカーも見受けられます。
依頼内容によってはAIの利用が有効な場合もありますが、注意が必要なのは、これらの回答が発注者の意図を汲んでいない場合や、誤った情報を含んでいる場合です。
AIによる回答は特にタスク形式で多く見られます。
上述したように、タスク形式では否認割合も決まっているため、なかなか防ぐことが出来ないのが現状です。
内容を読まずに、とりあえず応募しちゃう人
「数うちゃ当たる」と考えているワーカーも多数います。
仕事内容を読んでいない、定型文を張り付けて応募するだけという人たちです。
こちらが予算1万~2万で募集しているのに対して、4万円で見積もり・応募してきます。
「えぇ...採用される気ないやん」ってなりますよね。
また、仕事内容を熟読している人はごく僅かです。
募集内容に記載しているにもかかわらず、いざ業務をすると「知らなかった」としてトラブルになりかけたことが何度もあります。
品質の高いワーカーを見つけるには?
クラウドワークスで高品質な成果物を得るためには、ワーカー選びが極めて重要です。
最後に、信頼できるワーカーを見つけるための3つのポイントを紹介します。
クラウドワーカーの受注件数
受注件数は、ワーカーの経験値を測る上で重要な指標です。
受注件数が多いワーカーは、仕事に対する理解度が深く、納品までの流れもスムーズであることが期待されます。
少なくとも30件ほどの実績があるワーカーを選ぶようにしましょう。
クラウドワーカーの評価
ワーカーの評価は、過去の発注者がどれだけ満足したかを示す重要な情報です。
高評価を維持しているワーカーは、納期厳守や品質面で信頼できる可能性が高く、発注者にとって安心して依頼できる相手といえます。
ただし、クラウドワークスの暗黙の了解として、基本的には「5」評価を与えることが一般的です。4の場合も時々ありますが、1 ~ 3の評価は本当に低品質な場合しか与えられません。
注目すべきは、コメント付きの評価です。具体的な情報が含まれており、納品物の質やワーカーの対応姿勢をより詳細に確認できます。
評価は4点台中盤~後半あたりのワーカーを選ぶと良いでしょう。
クラウドワーカーのプロフィール
ワーカーのプロフィールは、その人のスキルや経験を示す重要な情報源です。
特にプロフィールには自己紹介やポートフォリオ、得意分野が記載されており、ワーカーがどのような仕事を得意とするかが明確に分かります。
例えば、デザイン系のワーカーであれば過去の作品、ライティング系であれば執筆ジャンルなどの情報が役立ちます。
逆に、プロフィールが充実していない場合は、クラウドワークス自体に力を入れていない場合があるため、連絡が遅い・品質が悪い場合が多いです。
応募時の文章
応募の際、ワーカー側はテンプレートを選択して応募することができます。
私もクラウドワーカーとして活動する際は、以下3つのテンプレートを使い分けています。
- 記事作成・SEO系のテンプレート(ライター業務に応募する用)
- 単純な自己紹介(汎用的な・雑務系の仕事に応募する用)
- エンジニア系のテンプレート(エンジニア業務に応募する用)
私の場合は、ここからさらに案件に応じて文章を追記していきます。
しかし、ほとんどの人(7割くらいでしょうか)はテンプレートだけで応募してきます。
「テンプレートだけだな」と感じたら、採用は見送った方が良いでしょう。
まとめ
クラウドワークスでの発注には、多様な形式があり、各形式ごとに品質やリスクが異なります。
また、音信不通や低品質な納品物などのトラブル事例もあるため、発注者としての適切なワーカー選びが重要です。
信頼できるワーカーを見つけるためには、受注件数、評価、プロフィールなどを入念に確認することが効果的です。
これらのポイントを踏まえ、慎重に発注することで、クラウドワークスでの成功率を高め、安心して仕事を依頼できる環境を築くことが可能です。