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流合雑音とは?元技術者が仕組みまで解説!

流合雑音とは

流合雑音とは主にケーブルテレビ局で利用されている同軸ケーブルをつかったインターネットサービスや電話サービスで発生するノイズです。

流合雑音が発生すると、下記のような状態になります。

インターネットが繋がらない、不安定になる

電話が繋がらない、プツプツと切れる

流合雑音の意味

流合の雑音ということで、流れて合流するといった意味で流合雑音という言葉になっています。

インターネットや電話は双方向通信と呼ばれ、上り通信と下り通信が発生しています。

双方向通信

例えば、データをインターネットからダウンロードする場合は「下り通信」、Twitterなどの文字を送信する場合は「上り通信」が主に使われます。

流合雑音では「上り通信」に影響があり、インターネットや電話が繋がらない事態となってしまいます。

流合雑音

もう少し詳しく説明すると、各家庭とサービス提供会社までのインターネット回線や電話回線はサービス提供会社にいくまでにほとんど同じ線に集約されています。

各家庭の雑音(ノイズ)がサービス提供会社までの間に合わさる為、サービス提供会社に行くまでに大きな雑音(ノイズ)となり、通信が疎外される現象が流合雑音となります。

雑音の意味

雑音とはノイズとも呼ばれます。同軸ケーブルの通信は波長を送ることにより通信をしています。この波長を邪魔するような波長を雑音と呼んでいます。

波長は様々な所で使われており、電子レンジや携帯電話などで使われています。全てが雑音になるのではなく、インターネット通信に使われている周波数帯と同じ周波数を流した場合に、インターネット通信の波長が疎外されるため、それを雑音と呼んでいます。

流合雑音が発生する原因

発生する原因は様々です。ご家庭で対処できる場合やサービス提供会社でしか解決が出来ない場合があります。順に説明します。

家庭が原因の場合

コネクタの緩み

サービス提供会社から提供されたケーブルモデムやテレビの同軸コネクタが緩んでいる場合に雑音が発生します。

コネクタが緩んでいるところから波長が入り込んで同軸ケーブルの中に雑音として入り込んでしまいます。

この場合はコネクタをしっかりと締め直すことで流合雑音を防ぐことができます。

コネクタを締める場合は手で締めるのではなく、レンチなどを使って気持ちキツメに締めます。増し締めと呼ばれます。

家電や無線通信

家電を利用している間だけインターネットが使えなくなるなどの場合は、その家電が影響を及ぼしている可能性があります。基本的には影響がないことがほとんどなのですが、劣化や環境より周波数が偶然にも一致する場合があります。この場合はケーブルモデムや家電の位置を変えることで解決する場合があります。

最近は少なくなりましたが、趣味で無線通信をしている方もいると思います。

無線通信でも周波数を使うためそれが原因で雑音が入る場合があります。特に無線通信の場合は顕著に波長が疎外されます。

ケーブルモデムの故障

サービス提供会社から支給されているケーブルモデムの故障の場合もあります。

この場合は個人では対策ができません。サービス提供会社に電話をすれば取り替えてくれます。

集合住宅が原因の場合

集合住宅に住んでいる方の場合は、集合住宅の設備に原因がある場合があります。

自分の部屋から出た後は集合住宅の共用設備を通してサービス提供会社まで通信されます。集合住宅の共用設備の劣化やコネクタの緩みが発生し、そこから流合雑音になる可能性があります。

古い設備の場合は、大雨が降っているとコネクタやケーブルに水が入って流合雑音になるケースもあります。

この場合も個人では対策ができないため、サービス提供会社に電話をしましょう。サービス提供会社から原因の調査後に集合住宅の管理会社へ修理連絡やサービス提供会社自身で修理をします。

この場合は集合住宅で同じサービス会社を利用している方のほとんどが利用できないケースとなります。

サービス提供会社が原因の場合

家庭や集合住宅設備以外では、サービス提供会社が設置している電線に付いている機械の故障などから発生する場合があります。この場合も個人では対策できません。

サービス提供会社へ連絡をしましょう。

また、自身の地域で同じサービス会社を利用している方のほとんどが利用できないケースとなります。

また、このレベルで利用が出来なくなっている場合は会社ホームページにも「障害連絡」という形でメール連絡やホームページ掲載が出ます。

 その場合はサービス提供会社が復旧に向けて対応中であるため、電話もせずに復旧するまで待ちましょう。

流合雑音の仕組み技術的解説

流合雑音が起きる仕組みを周波数とデシベルを使って説明します。

下記グラフはオシロスコープなどで見ることが可能です。

正常時の波形

正常時の波形は上記となります。(サービス提供会社から見た上り通信の波形です)

サービス提供会社は周波数を固定で使い分けています。戸建てや集合住宅用、電話用の周波数などに分けています。

また、dB(デシベル)で波長の強さも規定レベルが設定されています。

各家庭から上がってきた上り通信がサービス提供会社に来たときにはこのように沢山の通信が1つに集約されています。

流合雑音がある異常時の波形

流合雑音がある場合は上記のようになっています。

本来の正常時の波形とは別の周波数帯や強さの波形が乗っています。この波形が上図赤色で示した本来の通信と被ることにより通信が疎外されて、不安定となります。

このような波形が出ている期間はインターネットや電話が使えません。

このような波形が常時出ておらず、時々出ている場合はその波形が出ている時間だけ使えなくなります。1-2秒出る場合はインターネットが不安定になったり音声がプツプツと切れたり、ユーザーとしては何かおかしいな?と思う程度です。

流合雑音がある異常時の波形②

スパイクノイズ

スパイクノイズという雑音もあります。これは無線通信をしている場合このような波形がでます。特定の周波数で通信するため1点に突起状の波形が発生します。

dBも大きな波形となります。

この場合も同様にインターネットが使えない、電話がつながらないなどが発生します。

さいごに

流合雑音について説明しました。

発生する原因は家庭で対処できるものから会社でしか対応できないものがあります。

  • この記事を書いた人

KAITech

大企業/中小企業/ベンチャー企業を経験
AWS/ネットワークのエンジニア
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