ハンコ文化を続ける企業の実情
ハンコ文化とは
ハンコ文化とは、日本企業において長年にわたって受け継がれてきた文化の一つで、書類に印鑑を押すことによって承認や決裁を行うことを指します。ハンコ文化は、長年の歴史によって日本企業に根付き、現在でも多くの企業で続けられています。
ハンコを使う場面
ハンコ文化を持つ企業は、どのようにハンコを利用しているのでしょうか。
それぞれご紹介します。
社内決裁・承認
ハンコ文化が最も根付いているのが社内決裁・承認の場面です。書類に印鑑を押すことによって、その書類が承認済みであることを示すことができます。
物品を購入する場合、外注先に発注書や納品書を送付する場合にもハンコを以て承認され、提出することができます。
これは社内ルールとしての決まりであり、社外での効力はありません。一部社印に関しては効力を持ちますが、社外的には上司のハンコには何も意味がありません。
契約書
契約書には、誰が契約を締結したのかを示すために、署名や印鑑を利用しています。ハンコを押すことで、誰が契約を締結したのかが明確になります。
入社時や契約書の同意などに利用されます。
手書きのサインや印鑑は必要ですが、電子でも問題はありません。
日々の業務・確認印
日々の業務においても、ハンコが使われる場面があります。たとえば、商品や資料などに確認印を押す場合などがあります。
ハンコにも日付と名前が入っているハンコがあり、いつ確認したかなどのタイムスタンプの要素があります。
こちらも社内ルールとしてのハンコという意味が大きいので、社外では何も効力がありません。
なぜハンコを使い続けるのか
管理職の意識
ハンコ文化は、長年にわたって受け継がれてきた文化であり、多くの管理職がそれを維持することで、自分たちの仕事を簡単にすることができると考えています。
また、ハンコを押す動作は「仕事をしている感じ」がして良いらしいです。
「人と人が直接話すことに意味がある」、「温かみがある」などを理由としている管理職もいます。
そのほか、「電子ハンコにすると印鑑名を偽造して誰でも改ざんができるようになる」、「ITツールがわからない」、「言葉で説明してもらわないと分からない」などの理由を挙げる方もいます。
これらは、ハンコの偽造は電子でなくとも苗字のハンコさえ買ってしまえば誰でも偽造できますし、ITツールや言葉での説明を重んじる管理職は管理職側の怠慢にほかなりません。
導入コスト
ハンコの導入コストは数百円程度です。社印の人数にもよりますが、コストとしてかなり安いです。また、中小企業ではハンコ自体を自費で購入する企業もあります。
※自分のハンコくらい持っているでしょ?の感覚です。
電子承認にする場合は、サーバー代やシステム利用料などハンコ承認と比較するとコストは大きくなります。
ハンコを使うメリット・デメリット

ハンコを使うメリット
- 紙媒体のため物理的に証跡が残る
- 紙媒体で物理的に証跡が残ります。個人情報保護法の観点から個人情報の書類の保管期限が定められている紙などの保存ができます。
- 手作業を行うため記憶に残りやすい
- 手作業が発生する為、「これは記憶がある」「これは記憶にない」など直観ベースで記憶に残ります
- 管理職は勝手に紙がくるため負担が少ない
- 管理職側は部下が紙を持ってくるため、それを待つだけで承認行為ができることになります。
- 手書きサインよりも時間がかからない
- 手書きで苗字を書くよりはハンコのほうが時間がかかりません。
ハンコを使うデメリット
- 決裁や契約のたびに印鑑を押す必要があるため、時間がかかる。
- 印鑑の箇所や枚数により、時間がかかる場合があります。
- 印影が不鮮明だったり、押し忘れがあった場合には、書類を再度作成しなければならない。
- 不備があった場合は、紙の印刷からとなります。資源の無駄や時間の無駄となります。
- 印鑑の管理によって、印鑑を紛失したり、盗難されたりすることがある。
- 印鑑の紛失や、出先の場合は承認行為ができないことになります。
ハンコ企業の日常
私が実際に体験した、ハンコ企業の日常をご紹介します。
管理職待ちは当たり前

決済書類は完成しましたが、承認する管理者が外出中や休暇などにより、承認行為を行えない時間が発生します。
この場合、管理職が戻るまで書類を自分で保管する必要があります。管理職の席が目視で確認できない場合は、都度管理職の席まで確認しにいく必要があります。
課長、次長、部長、役員とハンコを貰う必要があり、次長が休みの場合は部長の承認を貰うことができません。次長が帰るまで作業ができなくなってしまいます。
ケアレスミスによる資料作り直し

資料に不備が有った場合、PCのデータを修正⇀印刷⇀自分のハンコ捺印⇀課長捺印となります。
不備が見つかったフロー箇所が部長の箇所だった場合、課長~次長間のハンコを再度取得しなくてはいけません。これでまた上記の管理職待ちが発生します。
同じことを4度説明する

課長~役員まで書類についての同じ説明をしなくてはいけません。
課長~役員まで直下の管理職同士で説明して貰えれば良いのですが、そんなことにはなっていません。
承認までに付きっきり

上記のようなハードルにより、場合によって数日程度承認にかかります。承認が終わるまでその業務を頭の片隅に入れながら他の業務をすることとなります。
脱ハンコ・ペーパーレス企業の日常
私が実際に体験した、ペーパーレス企業の日常を紹介します。
管理職を待たない

システム承認申請を活用します。書類作成し、システムに登録するだけで管理職にメールが送信されて、あとは待つだけとなります。
管理職が外出中でも、外出先から管理職は書類を確認して承認することができます。
ミスしてもすぐに修正可能

紙文書で手書きのハンコを使っている場合、誤ってハンコを押した場合などには資料を再作成する必要があります。しかし、デジタル化された場合には、簡単に修正や修正履歴の確認ができます。
説明は文書で記載するだけ
デジタル化された場合には、承認のために上司に直接説明する必要がなくなります。代わりに、文書での説明を行い、必要に応じてメールやチャットで補足することができます。
同じことを何度も説明することなく工数を削減することができます。
承認されるのを待つだけ
デジタル化された場合には、承認が得られるまで待つだけで済みます。たとえば、契約書に必要な署名が必要な場合、デジタルサインサービスを使っていれば、相手方がサインするまで待つだけで契約が成立します。
課長~役員までノンストップで承認手続きが行えます。ワークフローシステムなどを利用して、スピーディーかつシンプルな承認プロセスを実現することができます。承認されるのを待つだけで良いため、他の業務に時間を費やすことができます。
freeeサインを導入
ハンコや紙文書を使わずにデジタル化を進める方法の一つに、デジタルサインサービスを導入することが挙げられます。その中でも、手軽に導入できるfreeeサインを紹介します。
freeeサインとは、クラウド上で電子サインが可能なサービスです。freeeサインを導入することで、ハンコを使う必要がなくなり、ペーパーレス化が実現できます。以下では、freeeサインを導入することのメリットと、コストについて紹介します。
freeeサインでできること
freeeサインは、デジタルサインサービスの一つで、クラウド上で契約書や申請書などの文書にデジタルサインを行うことができます。また、freeeとの連携により、freeeで作成した契約書や申請書を直接freeeサインで承認することができます。
- 契約書や申請書の作成
- PDF形式の文書に電子サインを入れる
- 電子署名証明書の発行
また、freeeサインは、freeeアカウントと連携して利用することができるため、freee経理・freee人事労務などの各種サービスとの連携もスムーズに行うことができます。
コスト
freeeサインには、以下のプランが用意されています。
freeeサイン 無料プラン
- 無料で利用できるプラン
- 契約書・申請書の作成が可能
- 電子サインの上限数は月10件まで
freeeサイン スタータープラン
freeeサインにはスタータープランと呼ばれる有料プランがあります。スタータープランでは、月額3,000円で、最大10人までのユーザー登録が可能です。また、契約書の保存期間も無料プランよりも長い、5年間まで保存が可能です。さらに、スタータープランでは、自社ブランドのカスタマイズが可能な「カスタムフロー」や、オリジナル署名証明書の発行が可能な「サポート付きカスタムフロー」など、高度な機能も利用できます。
freeeサインの資料請求・お問合せ
freeeサインについて詳しく知りたい方は、公式サイトのお問い合わせページから資料請求や問い合わせが可能です。
まとめ
ハンコ文化は、企業によって根強く残っているものですが、ペーパーレス化の時代に合わせて、freeeサインなどの電子署名ツールの導入が進んでいます。freeeサインを利用することで、管理職の待ち時間の短縮やケアレスミスの軽減、データ管理の効率化など、多くのメリットを得ることができます。freeeサインは、無料プランもあり、少人数のチームでも導入しやすい点が魅力です。ぜひ、freeeサインの導入を検討してみてはいかがでしょうか。