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サーバールーム管理で重要なポイントを解説!作業者へのワンポイントアドバイスも!

サーバールームとは

サーバールームとは、データセンターや企業内などに設けられる特別な部屋であり、コンピューターサーバーやネットワーク機器などの重要なIT機器が保管される場所です。

サーバールームは、これらの機器の正常な運用とセキュリティを確保するために設計されています。

サーバールームは用途や広さ・規模から、サーバー室・データセンター・サブセンター・局舎・機器収容局舎と呼ばれることがあります。

サーバールームは以下で構成されています。

  • IT機器:サーバー・ルーター・スイッチなどのインフラ機器
  • 電源設備:IT機器を動かすための電源機器
  • サーバーラック:サーバーなどをマウントするためのラック
  • 空調:サーバールームの温度・湿度をコントロールする空調機器
  • ケーブル配線:サーバー同士をつなぐケーブル
  • セキュリティドア:カード式などのセキュリティが設定されたドア

サーバルームの管理

サーバールームの管理は、機器の安定運用と寿命を確保するために非常に重要です。以下では、サーバールームの管理における主要なポイントについて説明します。

温度・湿度

サーバールーム内の温度と湿度は、機器の動作に重要な影響を与えます。

サーバーは精密機器であり、高温環境や高湿度の環境が苦手です。

悪環境下では、処理速度や転送速度の部分で本来の性能を発揮できない場合や、熱暴走によるサーバーダウンの危険性があります。

通常、サーバールームの温度は冷却装置によって制御され、適切な範囲(一般的には20〜25度)に維持されます。

また、湿度も適切なレベルに保たれる必要があります(一般的には40〜50%)。温度と湿度の管理は、機器の故障やダウンタイムを防ぐために重要な要素です。

特に、夏場(7月~9月)の温度と、梅雨時期(6月)の湿度には注意が必要です。

「おんどとり」などのデータロガー機器を使って、気温・湿度を定期的に確認しましょう。

このようなデータロガーは閾値によるメール発報も可能です。

おんどとり(Amazon)

温度対策は空調設備で解決ができます。

湿度対策は空調では対応できない場合が多いです。その場合は、工業用扇風機やサーキュレーターを使いましょう。

空気を循環させることで空調設備と相まって湿度改善が見込まれます。

工業用扇風機(Amazon)

ケーブル配線

サーバールームでは、多くのネットワークケーブルや電源ケーブルが使用されます。ケーブルは整理され、適切なルーティングと保護が行われる必要があります。

ケーブルの適切な配線は、トラブルシューティングやメンテナンス作業を容易にし、整理された環境を維持するのに役立ちます。

ケーブル類はサーバーラックから出ないように整線しましょう。作業者が足を引っかけるなどの事故につながります。

電気設備

電気設備にも注意しましょう。安易に機器を増設した場合、電源容量がオーバーしてブレーカーが落ちる場合があります。

電源盤に現在のアンペアやワット数が表示されている場合はそれを確認しましょう。

無い場合、許容電力の計算を行わなければいけません。

その場合はクランプを用いてアンペアを測定します。

追加する機器の消費電力を確認して、容量内に収まるかどうか確認します。

クランプ(Amazon)

非常用電源

停電対策などで、非常用電源として発電機が設置されているサーバールームもあると思います。

発電機はガソリンで動いています。ガソリンが十分にあるか、定期的に確認しておきましょう。

害虫対策

サーバールームは清潔な環境を維持する必要があります。害虫やネズミなどの侵入を防ぐため、適切な防虫対策が必要です。定期的な清掃や害虫駆除の活動を行い、環境を衛生的に保つことが重要です。

特に、ネズミの場合はコードを噛み切る恐れがあります。サブセンターや局舎など、屋外に小屋のように立っているサーバールームは注意しましょう。

サーバールーム作業時の注意点

サーバールームでの作業は慎重に行う必要があります。以下では、作業時に留意すべきポイントについて説明します。

服装

静電服という服があります。サーバーなどの精密機器は電気に弱いため、冬場の静電気が発生しやすい時期は注意が必要です。

作業する際は静電服を着て作業をしましょう。

静電靴もあります。

静電服(Amazon)

ペンなどの落下する恐れのある物

作業中にペンや小さなツールをポケットに入れていると、それがサーバーや機器に落下し、作業が遅れる場合や、取り出しが出来なくなる場合があります。

また、作業事故の原因になる可能性もあります。

サーバールームはフリーアクセスフロアになっている場合が多く、小物がフリーアクセスフロアに落ちると、取ることが困難になります。

無理に取ろうとすると、フリーアクセスフロア下には電源やケーブルが密集しているため作業事故の発生に繋がります

作業前にポケットを確認し、必要な場合はツールベルトや専用のポーチに収納するようにしましょう。

ケーブル配線

サーバールームではケーブル配線が複雑であり、間違った操作がトラブルの原因になることがあります。作業前にケーブルの配置や配線計画を確認し、注意深く作業を行いましょう。誤ってケーブルを引っ張ると、機器が落下したり接続が断たれたりする可能性があるため、慎重に取り扱いましょう。

空調電源

サーバールームの冷却装置は電力を必要とします。作業時には、周囲の電源ケーブルに注意し、誤って電源を切ることのないようにしましょう。
必要な場合には作業エリアを適切に区切り、作業中に誤操作が起こらないようにします。

作業終了時も、サーバールームから出る際も一緒に空調電源を切らないように注意しましょう。

作業者へのワンポイントアドバイス

サーバールームで作業をする方へ向けた、ワンポイントアドバイスです。

サーバールームは寒い

サーバールームはとても寒いです。サーバー用の温度設定になっているため、空調は夏・冬でも20度前後で動いています。複数台動かすため、室内の気温が年中15~20度程度となります。

夏場でも1時間以上作業をすると冷えてくるので、油断は禁物です。

安全面も考えて、長袖長ズボンで作業をしましょう。

サーバールームは喉が渇く

サーバールームは通常、乾燥している環境です。

年中湿度が低く設定されているため、喉が乾きます。

サーバールームは飲食厳禁のため、定期的に作業を中断して、水筒や飲み物を飲む時間を作りましょう。

サーバールームの床は硬い

サーバールームの床は通常、タイルで構成されており硬いです。

大きいデータセンターになると作業用デスクがありますが、サーバー作業は基本的にラック前で行います。

ラック前にはデスクはありません。そのため、地べたで作業をすることがほとんどです。

長時間作業する際は快適性を考慮し、クッションや椅子を持ち込んで利用しましょう。

また、長時間の立ち作業になる場合は、休憩や姿勢の変更を取り入れることも大切です。

クラウドサービスを使う手も

以上がサーバールームについての概要と作業時の注意点、そして作業者へのアドバイスです。

これらの物理的な課題や制約を解消し、効率的かつ安全なデータ管理を実現する対策として、クラウドサービスという手段があります。

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  • この記事を書いた人

KAITech

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