本記事では、Google サイバーセキュリティ プロフェッショナル認定について、受講・資格を取得したため、その体験談をご紹介します。
Google サイバーセキュリティ プロフェッショナル認定とは

本資格は、日本リスキリングコンソーシアムにて受講できるGoogleの認定資格です。
「Google サイバーセキュリティプロフェッショナル認定証プログラム」では、サイバーセキュリティについて学習することが可能です。
まずは、認定の概要について見ていきましょう。
資格概要
Google サイバーセキュリティ プロフェッショナル認定は、サイバーセキュリティの基礎から応用まで幅広くカバーしています。
この資格では、ネットワークセキュリティ、情報の保護、リスク評価、インシデント対応など、多岐にわたる分野での知識が得られます。
また、認定資格とされていますが、一般的な資格試験ではありません。動画・もしくはテキストのレッスンを受講した後、関連する10~20問程度の問題に正解すればその章の認定が得られます。
認定試験中は試験監督もおらず、自身で調べながら問題を解いてよい形式となっています。
合格ボーダーは8割程度ですが、24時間以内に3回受講可能かつ、翌日にも再度受けられるため、頭の良し悪しは関係なく取得できる認定資格となります。
費用
通常、この資格の取得には月額39ドルの費用がかかりますが、プロモーション期間中は無料で受講が可能となっております。
私自身も無料期間中に取得ができました。
X(旧Twitter)の日本リスキリングコンソーシアムのアカウントなどで適宜宣伝されているようです。
私もXの「ひろゆき氏」のPR投稿で受講を決意しました。
前回、先着2万人の枠がすぐに埋まった #日本リスキリングコンソーシアム のGoogleの認定資格の無料講座。
女性の新規会員は先着5,000名まで無料受講できるようです。他にも15団体が無料特典を提供してるそうです。https://t.co/DzkaUwdciN#PR #ウーマンリスキリングウィーク https://t.co/k9bJIvkrAt— ひろゆき (@hirox246) March 8, 2024
取得期間
Google サイバーセキュリティ プロフェッショナル認定の取得にかかる期間は、週10時間の学習で約6ヶ月とされています。
ただし、自身のペースで学習可能であるため、必ずしも6ヵ月かかるとは限りません。
私の場合は、約4か月で取得することができました。
身につく知識・スキル
Google サイバーセキュリティ プロフェッショナル認定を通じて、Linuxの基本操作からSQLのデータベース管理、Pythonによるスクリプト作成まで、多岐にわたる技術を習得します。
ただし、取得できる知識・スキルは基礎部分のみとなります。
SQLはFROMやSELECT、ODERやLIKEなど、Linuxはcdやpwdなどに留まります。
未経験者にとっては有用な資格かもしれませんが、エンジニアにとっては既に知っているような知識ばかりという印象です。
他にも、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)のフレームワークに基づいたリスク評価やポリシー設計の方法論も学ぶことが可能です。
Google サイバーセキュリティ資格のメリット

ここからは、本認定資格のメリットについてご紹介します。
実践形式で学べる
Google サイバーセキュリティ プロフェッショナル認定の最大の特徴の一つは、その実践的な学習形式です。
このコースでは、単に理論を学ぶだけでなく、実際のセキュリティインシデントに対応するシミュレーションや、実機を使ったハンズオンも用意されています。
これにより、実際の業務で直面する可能性のある状況に対して、理論だけでなく実践的なスキルも身につけることも可能です。
自分のペースで学習できる
Google サイバーセキュリティ プロフェッショナル認定は、オンラインで受講・取得が可能です。
また、学習も自身のペースで進めることができます。
基本的に1週間で1単元終わらせるように期限が設定されていますが、守れなかった場合でも再度登録することが可能です。
資格を取得できる
Google サイバーセキュリティ プロフェッショナル認定を完了すると、受講者は公式な資格証とバッジを取得できます。
この資格は、個人の専門知識と技術を公的に証明するものであり、履歴書に記載することが可能です。
Google サイバーセキュリティ資格のデメリット

ここからは、本資格のデメリットについてご紹介します。
かなりの時間と忍耐が必要
Google サイバーセキュリティ プロフェッショナル認定の取得にはかなりの時間が必要です。
これは、動画教材が主であり、単元数も多いためとなります。
動画は倍速に出来るほか、スマートフォン用アプリも提供されているため、パソコン以外でも受講が可能です。
隙間時間を有効活用しながら受講することをおすすめします。
また、本資格は通常6か月ほど掛かる想定となっています。
そのため、途中で挫折してしまう人がかなりいます。
実際、現状最初の単元では9,000人ほどコースの登録をしていますが、最終単元のページでは200人ほどしか登録されておりませんでした。
相当数の人が途中で挫折したことが分かります。
無駄なレッスン・動画が多い
本資格の学習教材は、非常に無駄なレッスン・動画が多くあります。
正直、挫折した人の中には「無駄すぎてやってられない」と感じて辞めた人もいるでしょう。
私も資格取得のモチベーションだけで頑張りましたが、本当につまらない講座だったと思っています。
本資格はGoogleが提供しており、動画は全てGoogle社員が担当しています。
その動画には外国人特有の「自慢話」や「身の上話」が非常に多くあります。
「僕は高校のときにサイバーセキュリティに出会ったんだ…」「私の父がサイバーセキュリティをやっていて…」など、知識やスキルとは関係のない話を長々とされます。
また、動画以外にも「ディスカッション」という章があり、掲示板のようなものに自分の意見を書くのですが、それも非常に面倒でした。
自分の言葉でアウトプットすることも重要ですが、そんな気にはなれない程、内容が薄かったです。
他にも、履歴書の書き方や面接対策などのレッスンもありますが、アメリカ用の教材のため、日本の就職活動対策としては全く役に立ちません。
これらの動画やディスカッションは必修でないため、最悪実施しなくても資格は取得できます。
最終的に私の場合は、動画やディスカッションはせずにテキストとウィークリーチャレンジだけ合格して認定取得に至りました。
資格として認知されていない
Google サイバーセキュリティ プロフェッショナル認定は、業界全体としての認知度がまだ十分とは言えない場合があります。
「基本情報技術者試験」や「G検定」、「CCNA」、「AWS-SAA」などはその業界において認知・評価されますが、本資格は現状ほぼ誰も知らない資格です。
そのため、履歴書に書いたとしても、「これ何の資格ですか?」と言われるのが関の山な気がしています。
Google サイバーセキュリティ資格を受けるべきか否か
最後に、Google サイバーセキュリティ プロフェッショナル認定を取得するかどうかですが、私は不要な資格だと思っています。
取得時間が長く、資格としての認知度も低い、また自身がしっかりと学ぶ意欲がなければほとんどの場合スキルも身に付かないようなカリキュラムとなっています。
私であればUdemy等を使って専門的な学習をしたほうが良いかなと感じました。