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光回線の工事費はなぜ高いのか?工事費用の内訳を紹介!

光回線の工事費とは

光回線の工事費とは、インターネット接続のために光ファイバーケーブルを敷設する作業にかかる費用のことです。

光回線は基本的に工事が必須条件となっており、インターネット回線を持っている家庭・会社は基本的に光回線工事をしています。

光回線工事は導入時に1度発生する費用で、その後の月額費用などは発生しません。

一部、マンションなどの集合住宅では既に光回線が敷設されており、ホームルーターを繋ぐだけでインターネットが利用できますが、この状態でも光回線工事は必ず必要になります。

光回線工事費の一般的な費用

光回線の工事費用は一般的な戸建ての場合3万円程度となります。

施設・店舗・マンションなどの場合で特殊工事が必要な場合、数十万円程度に上ります。

これは、ケーブルの配線距離が長い場合や、配管工事が別途必要になるケースです。

光回線工事の内容は、電線などから既にある光回線のケーブルを延長用ケーブルと接続し、家庭まで光ケーブルを持ってくるような作業となります。

光回線工事費が高い理由

光回線工事費が高額になる理由はいくつかあります。

今回は、光回線にかかる実際の工事費から、ユーザーに掛かる費用が適正であるかをご説明します。

現地調査費

光回線工事には事前に現地調査というものが発生します。

光回線を敷設する前に、敷設ルートの現地調査が必要です。この調査には工事業者が出向き、電線の位置や敷設する家の位置・地形などを確認します。

現地調査にも費用が掛かっています。

現地調査は人数が1名~2名で、所要時間は1時間~2時間程度となっており、その分の人件費が掛かります。

時給が3,000円として、3,000円~6,000円程度の費用になります

▼現地調査についての詳しい記事はコチラ

工事作業者の人件費

当日の工事作業員の人件費が掛かります。

一般的な家庭では工事は3名程度で、時間は3時間程度となっています。

こちらは複数人の専門技術を持った職人が対応するため、人件費もそれなりに掛かります。

ただし、3名も宅内側(家の中)・外回り・家~外までの間として分かれて担当するため、1名あたりの作業時間は1時間程度となります。作業者3名も自分の担当が終われば次の現場へ移動する場合もあります。

よって、費用は下記のように概算できます。

3名 × 3,000円 × 1時間 = 27,000円

作業順は、外回り・家~外までの間・宅内(家側)の順に作業を進めていきます。

高所作業車費用

光回線は電柱や電線にある既設の光ケーブルを延伸する作業です。

そのため、高所での作業を行うためには高所作業車が必要です。高所作業車は車両金額も高価で操作するにも免許や講習の受講が必要です。

高所作業車自体は、工事業者が所有していますが、工事件数によっては高所作業車が足りない場合があります。また、マンションや高層ビルの場合、所有する高所作業車でも高さが届かない場合、より高い作業が可能な高所作業車をレンタルする必要があります。

一般的な高所作業車のレンタル費用は、レンタル会社にもよりますが、3時間で2万円程度です。

購入する場合は、500万円~1,000万円程度となります。

警備員などの人件費

光回線敷設中は、敷設エリアの警備が必要です。事故を防止するために警備員を配置する必要があります。高所作業車での作業の場合、スパナなどの物の落下・ケーブル線の誤断による落下などあらゆる危険が伴います。

また、電柱の傍で高所作業車を駐車する必要があるため、道路の路肩に止めることがほとんどです。そのため、他の車の交通の妨げにならないように交通整理をする必要があります。

警備員は基本的に1名付いています。幹線道路沿いの場合は2名付く場合もあります。

こちらも、人件費として下記のように概算できます。

1名 × 2,000円 × 3時間 = 6,000円

部材費

光回線工事には、光ファイバーケーブルや接続用の接続箱、保護カバーなどの部材が必要です。これらの部材は高品質で耐久性があり、光回線の安定性を確保するために重要です。部材の調達や設置には費用がかかります。

また、光回線の接続には融着機という専用の機械が必要になります。

融着機の価格はピンキリですが、最低でも10万円、プロ仕様のものだと50万円程度のものを利用しています。

Amazon.co.jp-融着機-

他にも、光パワーメータ・取付金具などの部材費が発生します。光パワーメーターと融着機は各工事で流用しますが、取付金具や光ケーブルは消耗品となります。

そのため、初期費用としては60万円程度、1回の工事の消耗品費は3,000円程度となります。

合計費用

これらの費用をまとめると、以下になります。

なお、高所作業車のレンタル費用と融着機などの部材費は初期費用として別で計算します。

●ランニングコスト

作業員人件費(27,000円) + 警備員人件費(6,000円) + 部材費(3,000円程度) = 3万5千円程度

●初期費用

高所作業車(500万円)  + 部材費(60万円) = 560万円以上

となりました。1件当たりの工事費用は3万5千程度と概算できます。

また、初期費用もかなり高額であることが分かります。

工事請負会社はどのくらい貰っている?

ハンコ文化
ハンコ文化

工事1件当たり、3万5千円程度掛かることが分かりました。

ですが、読者の皆さんも、インターネット会社の広告で「インターネット工事費用無料!」と謳っている広告を一度は見たことがあると思います。

一般的にインターネット会社では工事はせず、地域の工事請負会社に工事を委託している場合がほとんどです。

工事費無料にした場合、実際の工事業者の人はお金が貰えているのでしょうか?

その疑問にお答えします。

工事請負会社の費用相場

工事請負会社側もしっかりと工事費用を貰っています。

工事請負会社で働いている私の知人の話では、1件当たり4万~5万円程度貰っているようです。

上記で計算した費用と同じくらいですね。

工事請負会社の開設工事は1日で3~4件のお宅を周るそうです。

そのため、3名程度の人数稼働で12万円~20万円程度売り上げが発生している計算となります。

しっかりと稼いでいますね。

工事費無料はインターネットプロバイダが肩代わりしている

工事請負会社にもしっかりと工事費用は入っているようです。そのため、「工事費無料」と謳っている場合は、インターネット会社が肩代わりしていることとなります。これは、競争力を高めるためや顧客獲得のために、工事費を自社が負担することで利便性を向上させる戦略として採用されています。

工事料金を無料にすることで成約率を上げ、そこから月々の月額料金で費用を回収していくことが目的のようです。

大体のインターネット会社の月額料金は6,000円から1万円程度かと思いますので、純粋な工事費用料金の場合は数か月から半年程度で回収できる計算となります。

光回線工事が不要なサービスを選ぼう

光回線工事費が高額であるため、一部の場合には工事が不要な代替サービスを選ぶことができます。

それが、下記のGMOインターネット株式会社【GMOとくとくBB】というサービスです。



回線工事が不要で、インターネット会社から送付されるホームルーターの電源を入れるだけでインターネットが利用できるようになります。

これは、スマホと同じように、インターネット会社とホームルーター間で無線通信を実現しています。最近は無線化技術やインターネット会社の設備増強のため、無線環境でも回線速度が安定して出せるようになってきました。

回線工事不要で、上記のような糞害や民地承諾など煩わしい許可が不要になるため、おすすめの回線です。

  • この記事を書いた人

KAITech

大企業/中小企業/ベンチャー企業を経験
AWS/ネットワークのエンジニア
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