IT

同軸ケーブルのインターネット通信はデメリットだらけ?元技術者が解説

同軸ケーブルのインターネット通信とは

同軸ケーブルのインターネット通信とは、同軸ケーブルを使ってインターネットを利用するサービスのことを言います。

現在は光回線が主流ですが、光回線以前はこの同軸ケーブルによる通信や、ADSL、電話回線を使ったインターネット接続が利用されていました。

同軸ケーブル通信やADSLなどは現在は新規受付が停止されていたり、目に入る機会は減ってきました。

ですが、地方では未だ光回線に変更せず、同軸ケーブルでサービスを利用している地域もあります。

同軸ケーブル

同軸ケーブル

同軸ケーブルは、中心導体と外部導体を持つ構造の通信ケーブルです。中心導体はデータ信号を伝送し、外部導体はそれを保護します。

この構造により、信号の劣化を最小限に抑えながら一定の距離まで信号を送信することができます。しかし、当時の技術では「最小限」となっていますが、現代技術からすると、「かなり」信号の劣化・減衰をしています。

たとえば、40mや60mの距離を同軸ケーブルで繋ぐだけで、インターネット通信ができなくなるといった事象に陥ります。

光ケーブルの場合は1kmでも問題なく通信ができることを考えると、かなり制約があります。

HFCサービス

HFCサービスは、Hybrid Fiber Coaxialの略で、光ファイバーと同軸ケーブルを組み合わせた通信サービスです。光ファイバーは長距離や大容量の通信に適しており、同軸ケーブルは家庭への最終配信を担当します。この組み合わせにより、通信環境を提供することができます。

同軸でインターネットをしている場合、ほとんどがHFCサービスとなります。

光回線も実際は「FTTH」サービスと呼ばれる部類になっています。

ケーブルテレビが主に採用している

同軸ケーブルのインターネット通信は、主にケーブルテレビ事業者によって提供されています。ケーブルテレビは、同軸ケーブルを使ってテレビ放送を提供するだけでなく、インターネット接続も提供しています。

ケーブルテレビは、一般的な民放テレビの電波による受信とは異なり、ケーブル線で信号を受診する形式となります。そのため、家にアンテナが不要ですが、その代わりにケーブル線が電線から家まで届いています。

ケーブルテレビはアメリカが発祥で、民放テレビ局の電波が届かない中山間地域用にケーブル線を引っ張ってテレビを見れるようにするサービスでした。

そのため、日本でも地方や中山間地域で主に利用されてきました。しかし、現在は技術の発展によりほとんどの地域で民放テレビの電波を受信できるようになっています。

同軸ケーブル通信のデメリット

同軸ケーブルのデメリット

ここからは、同軸ケーブル通信のデメリットを解説していきます。

インターネット通信が可能な帯域が狭い

同軸ケーブルは、通信に利用できる周波数帯域に制約があります。そのため、高速なデータ通信が難しい場合や大容量のデータを扱う場合には制限があります。特に、複数のデバイスが同時に接続される状況では、通信速度が制約される可能性があります。

同軸ケーブルの通信ではdocsisと呼ばれるプロトコルを使用しています。

このdocsisのプロトコルの仕様上、40Mbpsまでが限界の速度となってしまいます。

光回線が出る前には40Mbpsを4本束ねることができるdocsis3.0という規格ができ、最大160Mbpsまで出せるようになりました。

しかし、160Mbpsでも現代では遅く、1Gbpsが当たり前となっています。docsisプロトコル自体もアメリカ発祥のプロトコルで、残念ながら今後の進展も見込まれていません。

故障しやすい

同軸ケーブルを提供する機器は故障しやすい特徴があります。

それは、HFCサービスの機器のほとんどが電気系統が必要だからです。

光回線の場合は、ほとんどが光ケーブルのみで構成されているため、断線が無い限り安定してサービス提供をすることができます。

しかし、同軸ケーブルの場合は、主要な機器室から電線を通る間に、数十個もの機器を通過して家までサービスを提供しています。そのため、数十個の内、1個でも壊れればサービスの提供が難しくなります。

また、電気系統が必要であるため、下記のような季節による障害も発生しやすいです。

夏場

HFCサービスは落雷にかなり弱いです。また、豪雨で機器に水が溜まっても正常な通信ができなくなってしまいます。そのため、台風や落雷が発生する夏場にサービス断が起こりやすくなります。

停電時も、HFCの機器は電気系統が必要であるため、サービス提供ができなくなります。

光回線の場合は停電時でも問題ありません。※家庭のルーターにも電気が来ないので結局サービス提供できないと思われがちですが、HFCの場合は上流の機械の電気不通で通信不能になります。少し難しいですが、、

機器が故障した場合は、インターネット提供会社によるサービス復旧作業が必要です。これには数時間程度掛かってしまいます。

冬場

冬場には低温によるケーブルの収縮や、環境適用外の気温で機器が正常に動作しなくなることがあります。特に、氷点下になる冬場の深夜帯はサービス提供できなくなる可能性がかなり高まります。

これらの故障は、通信品質やインターネット接続の安定性に悪影響を及ぼすことがあります。

以上から、春・秋以外はインターネット提供が出来なくなる可能性が非常に高くなります。

ノイズが入りやすい

同軸ケーブルは、周囲の電子機器や他の電波源からの干渉によってノイズが発生しやすいというデメリットもあります。長いケーブルを使用する場合や信号の伝送距離が長い場合には、ノイズの影響が大きくなる可能性があります。これにより、通信品質が低下し、データの正確な伝送が妨げられることがあります。

同軸ケーブルの接続がきちんと締まっておらず、緩みがあるだけでノイズが発生します。

光インターネット回線が圧倒的に良い

これまで述べてきたように、同軸ケーブルに比べて、光インターネット回線は圧倒的に優れた性能を持っています。光ファイバーは光の信号を使って情報を伝送するため、高速かつ安定した通信を実現できます。また、光ファイバーは電磁ノイズに強く、外部の干渉を受けにくいという利点もあります。

光インターネット回線は、大容量のデータの高速伝送や複数のデバイスの同時接続にも対応しています。そのため、現代のデジタルライフにおいては、光インターネット回線が圧倒的な選択肢となっています。

同軸ケーブルのインターネット通信には、帯域の制約、故障しやすさ、ノイズの影響など、様々なデメリットが存在します。一方、光インターネット回線はこれらの問題を解決し、高速かつ安定した通信環境を提供します。インターネット接続の品質と信頼性を求める場合には、光インターネット回線の利用を検討することをおすすめします。

おすすめの光回線の紹介をします。

それが、下記のGMOインターネット株式会社【GMOとくとくBB】というサービスです。



回線工事が不要で、インターネット会社から送付されるホームルーターの電源を入れるだけでインターネットが利用できるようになります。

同軸ケーブルを使うHFCサービスでないため、安定したインターネットサービスを利用することができます。

ぜひ、ご検討ください。

  • この記事を書いた人

KAITech

大企業/中小企業/ベンチャー企業を経験
AWS/ネットワークのエンジニア
記事執筆やメンタリング等、仕事の依頼はコチラから
https://www.kaitech-media.biz/work/

-IT