サーバーやルータの命名規則は、ITインフラストラクチャの管理と運用を効率的に行うために重要な要素です。
適切な命名規則を持つことは、システムの可読性、管理のしやすさ、拡張性などに影響します。
この記事では、サーバーやルータの命名規則について解説します。
命名規則とは
命名規則とは、サーバーやルータなどの機器に対して一貫性のある名前を付けるためのルールのことです。
社内で管理するサーバーは数十台、大企業となると数百台に上ります。
また、本社だけでなく、支店や事業所にも機器があるため、社内で統一した命名規則が必要となります。
命名規則が守られていない・制定されていない場合、管理が煩雑になります。
これにより、資産管理が難しくなる・システム障害時にどの機器が故障したか分からなくなるなどの影響が出ます。
命名規則はアルファベットと数字、ハイフンから構成されており、ひとめで判別できるように設定することが重要です。
命名規則の付け方

はじめに、命名規則の付け方をご紹介します。
開発・本番環境で分ける
サーバーやルータは開発環境と本番環境に分けて作成する場合があります。
開発環境と本番環境を識別するために、名前に"dev"や"prod"などのプレフィックスを付けると、ひとめで判別することが可能となります。
ステージング環境の場合は、“stg”とする場合もあります。
地名で分ける
複数の拠点や地域にサーバーやルータが配置されている場合、地名を含めることでどの地域に所属するかが分かりやすくなります。
一般的には地名の略称をアルファベットで表記します。
例)
東京:TKY・tk
大阪:OSA・os
福岡:FKO・fk
プロジェクト・用途で分ける
サーバーやルータが特定のプロジェクトや用途に関連している場合、その情報を名前に反映させることができます。
例)
ルーター用途:rt
スイッチ用途:sw
サーバー用途:sv
●●HPサイト:●●hp
監視システム:kanshi
1号機・2号機で分ける
同じ種類のサーバーやルータが複数存在する場合、番号を使って区別することがあります。
これによって、同じ種類の機器でも個別に識別することができます。
ただし、用途や中身が違う場合は命名規則を分けた方が良いでしょう。
01号機は●●、02号機は××用などとしてしまうと、1度自分の中で認識の変換が発生するため非効率となります。
例)
webserver-01
webserver-02
webserver-03
webserver-04
命名規則の注意点

ここからは、命名規則の注意点についてご紹介します。
重複するパターンはないか
命名規則を決定する際に、他の要素と重複しないように注意が必要です。
一意性を保つことで、特定のサーバーやルータを迅速に特定できます。
たとえば、地名で分ける場合下記のように重複する可能性があります。
例)
宮崎:MY
宮城:MY
この場合は、2文字ではなく3文字で表現するようにします。
宮崎:MYA
宮城:MYG
可読性はあるか
命名規則は分かりやすく、他のチームメンバーや管理者が迅速に理解できるものであるべきです。
長すぎる名前や意味不明な略語は避けるべきです。
長くなる場合はハイフンで区切る、大文字を使用するなどの工夫をしましょう。
例)
devtokyowebserver01
この場合、ハイフンで区切り略称にすると可読性が向上します。
dev-tky-sv-web-01
拡張性があるか
将来的なシステムの拡張を考慮して命名規則を設計することが大切です。
新しいサーバーやルータが追加される場合でも、規則に従って容易に名前を付けることができるようにしましょう。
AWSの場合、サービス(S3・RDSなど)によっては小文字しか命名できないという仕様が存在します。
また、S3は世界中で一意な名前しか設定できないため、必ず一意になるような文字列を組めるように設定しましょう。
他にも、命名規則で役割の細分化できておらず、違う用途であるが名前が同じになってしまう場合が出てきます。
予備の命名規則ルールも制定しておきましょう。
命名規則例
最後に、命名規則の例を紹介します。
パターン①
形式: [環境]-[地名]-プロジェクト]-[役割]-[番号]
例:
prod-nyc-web-01
dev-tokyo-db-02
パターン②
形式:[地名]-[役割]-[番号]-[文字列(予備)]
例:
OSA-rt-01
MYG-sw-02-yobi
パターン③
形式:[環境]-[クラウド]-[会社名]-[役割]-[アカウント番号]-[文字列(予備)]
例:
dev-aws-abc-s3-111222333-01
dev-aws-abc-ec2-111222333-01
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