「AWSはインフラエンジニアの領域だから、プログラミングスキルは不要では？」と思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、AWSを深く・効率良く活用するためには、プログラミング言語の知識が必要となります。
本記事では、AWS初学者の方や、ステップアップを考えている方向けに、AWSと相性の良いプログラミング言語を紹介し、AWSを学ぶ上でのプログラミング学習の重要性を解説します。
AWSとプログラミング言語の関係
はじめに、AWSとプログラミング言語の関係について解説します。
実は、AWSでは様々な場面でプログラミング・コーディングをする必要があるのです。
それぞれ見ていきましょう。
AWSサービスでプログラミング言語を使う
1つ目として、AWS内でプログラミング言語を扱うサービスがあります。
例えば、AWS Lambdaはサーバーレスコンピューティングサービスで、PythonやJavaScriptなどの言語でコードを記述し、スケーラブルなアプリケーションを構築できます。
また、AWS SAMとしてのアプリ開発、GlueにおけるETL処理などにおいてもコーディングが必要です。
このように、AWSサービスの多くで、プログラミング言語の知識が直接的に必要となります。
インフラ構築でもプログラミング知識が必要
インフラ構築においてもプログラミング知識が必要となります。
例えば、プロジェクト開発においてCI/CD（Continuous Integration／Continuous Delivery）を導入している場合、プログラミング言語側（PHPやReactなど）のマイグレーションやビルドについて理解していなければなりません。
他にも、Dockerを利用する場合はdocker fileの構築をする必要があります。
また、AWS RecognitionやPollyなどはSDKを用いてシステムへの組み込みを行います。
このように、インフラ担当でもプログラミング知識が必要となるケースが多くあります。
IaCで構築する
ここ数年でインフラリソースをコードで管理するIaC（Infrastructure as Code）という考え方が浸透してきました。
インフラリソースをコードで管理することで、手動での設定ミスを減らし、インフラの変更を迅速かつ安全に行うことが可能になります。
AWSにおいては、AWS CloudFormationやCDK、Terraformなどのツールを使用して、サーバーやネットワーク、その他のリソースをコードで定義し、自動的にデプロイすることができます。
IaCを活用するには、AWS CloudFormationやCDK、Terraformを扱える言語（JSONやPython、HCLなど）の理解が必要です。
AWSと相性の良いプログラミング言語
ここまで、プログラミング言語を使うことで、AWS開発が可能であることを紹介しました。
しかし、プログラミング言語であれば何でも良いという訳ではありません。
AWSサービスやIaCによって扱えるプログラミング言語に制限があるのです。
ここからは、AWSと特に相性の良いプログラミング言語をランキング形式で紹介します。
【1位】Python
PythonはAWSとの相性が非常に良い言語のひとつです。
例えば、Lambda、Glueなど多数のAWSサービスを扱うことができます。
AWS SDK for Python（Boto3）も用意されており、SDKによるシステム開発も可能です。
また、Pythonは機械学習分野に強いため、Amazon SageMakerやAWS DeepRacerなどでもよく使われます。
他にも、IaCであるCDKにも対応しています。
このように、PythonはAWSサービス・SDK・CDKの利用が可能です。
AWSを活用するにあたって最も相性の良いプログラミング言語と言ってよいでしょう。
AWSとPythonを同時に学習できるUdemy講座として、下記がおすすめです。
AWSで学ぶ！REST API・サーバーレスアーキテクチャ入門
Udemy - 作りながら学ぶ boto3 の基本 (AWS SDK for Python)
【2位】JavaScript
第2位はJavaScriptです。
JavaScriptは、特にサーバーレスアプリケーションの開発で重宝される言語です。Node.jsを使用することで、非同期処理やイベント駆動型アーキテクチャに適したアプリケーションを開発できます。AWS LambdaではJavaScriptが広く使われており、フロントエンドとバックエンドの両方で利用できるのが大きな利点です。
JavaScriptは、AWSサービス・SDK・CDKの利用が可能です。
しかし、Pythonと比べるとライブラリの充実度やコーディング量などから若干不便と感じるかもしれません。
JavaScriptを基礎から学んでみたい方には下記講座がおすすめです。
Udemy - はじめてのJavaScriptプログラミング入門
【3位】TypeScript
第3位はTypeScriptです。
TypeScriptは、JavaScriptに静的型付けを加えた言語で、大規模なアプリケーションの開発に適しています。AWS CDK（Cloud Development Kit）を使うと、TypeScriptでインフラを定義し、デプロイすることが可能です。
型安全性と開発効率の向上は、AWS環境での開発において大きなメリットをもたらします。
TypeScriptもAWSサービス・SDK・CDKの利用が可能です。
特にCDKの公式API ReferenceではTypeScriptがトップに記載されているため、レファレンスもUIが最適化されています。
【4位】PHP
第4位はPHPです。
PHPはウェブ開発に広く使われている言語で、AWSでもサポートされています。
特に、AWSのElastic BeanstalkはPHPアプリケーションのデプロイメントと管理を容易にします。
LAMP環境（Linux, Apache, MySQL, PHP）の経験がある開発者にとっては、AWSでのPHP利用は学習コストを抑えて開発することが可能です。
PHPはAWSサービス・SDKには対応していますが、CDKには対応していません。
【5位】Go
第5位はGo言語です。
Go言語は、その高いパフォーマンスと効率的な並行処理能力により、AWS環境での利用に適しています。
特に、IoTなどのマイクロサービスアーキテクチャやサーバーレス環境での利用が増えています。AWS LambdaではGoがサポートされており、高速な実行速度を生かしたアプリケーション開発が可能です。
GoはAWSサービス・SDKには対応していますが、CDKは公式には対応していません。
また、言語としてもまだ新しい言語ということもあり、プログラマ人口はPHPやJavaと比べると少なくなります。
そのためAWS以外の仕事としては活用が難しくなるかもしれません。
その他のプログラミング言語
1位から5位にご紹介した言語以外にも、AWSは数多くの言語がサポートされています。
しかし、言語によってCDKに未対応であったり、SDKが未対応であったりと事情が異なるため注意が必要です。
特定の用途や学習者の好み・将来性を鑑みた上で選択をしましょう。
AWSでサポートされている言語の一部をご紹介します。
Java、C#、Node.js、Ruby、.NET、C++、Koltin、Swift、Rust、SAP ABAP、Terraform、Ansible、JSON、YAML
学習ロードマップ
AWS未経験者にとって、AWSから学ぶべきか、プログラミング言語から学ぶべきか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
ここからは、AWSとプログラミング言語の両方を学習するためのロードマップについて解説します。
結論としては、AWSエンジニア・インフラエンジニアになるためには、AWSの学習から始めた方が良いです。
それでは見ていきましょう。
①AWSコンソールによる構築
最初のステップとして、AWSコンソールを使った基本的なリソースの構築から始めましょう。
AWSコンソールは直感的なGUIを提供しており、EC2インスタンスの設定やS3バケットの作成など、基本的な操作を学ぶのに適しています。
この段階では、プログラミングやコーディングは使わずにAWSの基本的な概念とサービスを理解することに重点を置きましょう。
AWSコンソールだけでは構築できないサービス・機能もあります。
その部分のみAWS CLIを利用して構築できるようにすると更なるステップアップに繋がるはずです。
AWS CLIについて学べる講座は下記がおすすめです。
②IaCによる構築
AWSの基本を理解したら、次にIaC（Infrastructure as Code）を学びましょう。
ここからプログラミング言語の学習を始めます。
AWS CloudFormationやTerraform、CDKを用いて、インフラストラクチャをコードで定義し、自動化する方法を習得します。
AWSの基本を身に着けておかないと、IaC構築はできないためこのようなロードマップがお勧めです。
③SDKを利用した開発
最後にAWSサービスをプログラム的に操作するために、AWS SDKによるプログラミング学習を行います。
PythonのBoto3やJavaScriptのAWS SDKなど、使用するプログラミング言語に応じたSDKを選び、AWSリソースの操作やデータの処理方法を学びます。
この段階では、APIを通じてAWSサービスを操作する実践的なスキルが身につきます。
AWSとプログラミング言語の両方を学ぶには？
最後に、AWSとプログラミング言語を効率的に学ぶ方法についてご紹介します。
AWSだけ、プログラミング言語だけであれば、資格取得や無料教材を使って学習することができますが、CDKやSDKの学習となるとこれらの方法では非常に厳しいと言えます。
その理由として、CDK・SDKはAWSサービスと言語の両方を理解する必要があり、未だそのような教材・サービスがあまり世にでていないためです。
また、それを教える人材も非常に少ないという現実があります。
そのため、AWSとプログラミング言語の両方を学ぶにはプログラミングスクールである「SAMURAI TERAKOYA」がお勧めです。
オンライン学習型のプログラミングスクールで、AWSやPython・PHP・Javaといった言語のどちらも学ぶことが可能です。
また、現在政府が行っているリスキリング制度を使えば、さらにお得に入会することができます。
「SAMURAI TERAKOYA」では、無料体験プランが用意されているため、気になる方は是非一度無料体験を受けてみてはいかがでしょうか。
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