電線の途中にある黒い箱
電線の途中に黒い箱が一定区間ごとに付いています。これは何か解説していきます。
箱の正体は「クロージャー」
箱の正体は「クロージャー」と言われるものです。
クロージャーとは、電線の途中に設置された黒い箱のことで、光ファイバーケーブルの接続をするための設備です。このクロージャーは、光ファイバーケーブルを保護し、外部からの影響や損傷から守る役割を果たしています。
設置業者
設置している業者はNTT光や地域のインターネットサービスを提供している会社(ケーブルテレビやその他インターネットプロバイダー)です。
役割
クロージャーの役割は光ファイバーケーブルの「接続点」という役割を持っています。
各家庭でインターネット回線を引く際に、このクロージャーから光ファイバーケーブルを接続して家まで持っていきます。
光ファイバーケーブルは電線の中に何百本と入っています。
光ファイバーケーブルは髪の毛1本ほどの太さです。何百本と入っている光ファイバーケーブルをクロージャー内でそのまま通過させるケーブルと、離脱させて家庭へ繋ぐ用途のケーブルに分けています。
離脱させて家庭へ繋ぐ用途のケーブルはそのクロージャーのある地域にある契約見込みのある家庭分だけ用意されています。
契約後に下記のように緑の部分を新たに繋いで、各家庭へ持っていきます。
未だ契約していない空の光ファイバーケーブルはクロージャー内で終端(未接続)の状態で保管されています。
クロージャーの内部
クロージャーは、光ファイバーケーブルの接続に必要な部品を備えており、光ファイバーケーブルを正確に接続することができます。光ファイバーケーブルは、高速で信号を伝送するために使用される光の波長を利用して通信を行うものであり、非常に高精度な設置が必要です。そのため、光クロージャーは、光ファイバーケーブルを正確に接続することができるように、非常に厳密な設計がされています。
光ファイバーケーブルは光を乱反射させて送信しているため、電気設備はありません。
中身自体は、光ファイバーケーブルをきれいに成端するためのプラスチックしか無いです。
接続方法
接続には「融着」をして光ファイバーケーブル同士を接続します。
接続は工事業者が実施し、一般の方は接続できません。
また、「融着機」という専用の機械を用いて接続をします。
融着機はおよそ50万円程度の高価なもので、髪の毛と髪の毛を接続するレベルの精度を有しています。また融着機の操作自体も修練が必要です。
融着が甘いと、インターネット速度が遅くなる場合や、そもそも通信が出来ない事象となります。
接続がキチンとできているかどうかは、つないだ先の光ファイバーケーブルから「光受信機」というものを使って、光の強さを測定します。
光の強さが規定値であれば合格、規定値外であれば再度接続を行います。
融着にかかる時間は作業者の熟練度によりますが、およそ10-20分程度かかります。