フランチャイズ(FC) 子どもプログラミング教室の開業形態

子どもプログラミング教室の需要が年々高まっています。
コエテコの調査によると、2023年度もプログラミング教室市場は上昇傾向という結果になりました。
2030年までに子ども向けプログラミング教育市場は1,000億円を超える市場へ急成長する可能性があるとされています。
今回は、プログラミング教室の開業形態「フランチャイズ契約」について解説します。
フランチャイズ契約(FC)でプログラミング教室を開業する
子どもプログラミング教室の開業形態として、フランチャイズ契約(FC)があります。
フランチャイズ契約とは、親会社からブランドやサポートを受けながら、教室を運営する形態のことです。
飲食店やコンビニエンスストアでもフランチャイズ契約形態が存在します。
その他のプログラミング教室開業方法
フランチャイズ契約以外にも、独自カリキュラムを作成し、自主的にプログラミング教室を開業する方法があります。
他にも、プログラミング教室用に教材のみ販売している業者もあり、その教材のみ活用する方法もあります。
これらの場合、プログラミング教室の独自性や自由度は高くなりますが、サポートや知名度の面ではフランチャイズに比べると劣ることがあります。
フランチャイズ契約(FC)プログラミング教室開業のメリット

フランチャイズ契約(FC)を結ぶことで、以下のようなメリットが得られます。
フランチャイズ親会社による充実サポート
フランチャイズ契約では、親会社からの充実したサポートを受けることができます。具体的なサポート内容は以下のようなものがあります。
教材
フランチャイズ親会社は、豊富な教材を提供してくれます。
プログラミングの基礎から応用まで幅広いカリキュラムが用意されており、それを活用することで効果的な指導が可能です。
プログラミング教室開業初期は、教師側のプログラミングスキルや指導方法に不安を持っている人も多いと思います。
フランチャイズ契約はそれらを解決する最も効率的な方法と言えます。
また、プログラミング教材はバージョンアップやロボットの販売停止など、非常に技術アップデートが多い分野です。そのバージョンアップ・アップデートにも親会社が提供してくれます。
機材
プログラミング教室には、パソコンやタブレットなどの機材が必要です。
開業するにあたり、どのスペックのパソコンやタブレットを購入すれば良いか分からない方もいるでしょう。
フランチャイズ契約では、親会社が適切な機材を紹介してくれるため、機材の購入を円滑に進められます。
広告・宣伝
フランチャイズ契約の場合、ホームページの準備やチラシのテンプレート提供、のぼりの提供がされます。
ホームページ作成やチラシ作成の労力を削減し、効率よく開業できます。
無料体験会カリキュラム
プログラミング教室において、無料体験会の内容はとても重要です。
多くのフランチャイズ契約では、無料体験会カリキュラムを提供しています。
これにより、子どもたちや保護者に対して実際の授業や教育内容を体験してもらい、入会へのハードルを下げる効果が期待できます。
フランチャイズの親会社はたくさんのノウハウを持っていますので、数年間積み上げてきたノウハウの力を借りてプログラミング教室を運営することができます。
知名度が高い
フランチャイズ契約を結ぶと、既に確立されたブランドや知名度を持つ子どもプログラミング教室として開業することができます。
親会社の広告活動や宣伝効果により、市場での認知度が高くなり、競争力を持った立ち上げが可能です。
フランチャイズ契約(FC)プログラミング教室開業のデメリット

フランチャイズ契約(FC)を選ぶ際には、以下のようなデメリットも考慮する必要があります。
導入費用・月額費用が掛かる
フランチャイズ契約では、親会社への導入費用やロイヤリティとしての月額費用が発生します。
これはブランドの利用や親会社からのサポートを受けるための料金であり、開業時の負担となります。
事前に費用の詳細を確認し、ビジネスプランに組み込むことが重要です。
費用の相場については後述します。
2店舗目の教室開校費用にも注意
塾やプログラミング教室の特性として、安定的な収入を得ることができますが、1教室における収益は、教室の広さやその地域の生徒数から限界があります。
さらに収益を上げるには、別地域で2教室目を開校することが必要です。
しかし、フランチャイズ契約の場合だと、2店舗目の開業も導入費用・月額費用が掛かってきます。
そのため、2店舗目以降の収益の伸び率は低くなってしまいます。
フランチャイズ契約規約に基づく制約が生じる
フランチャイズ契約には、規約や契約書が存在し、それに基づく制約が生じることがあります。
具体的な制約事項は契約内容により異なりますが、以下のような制約が一般的です。
他教材の導入可否
親会社との契約によって、他社の教材やカリキュラムの導入が制約されることがあります。特定の教材を使用することによってブランド統一や教育品質の維持が図られる一方で、自由度が制限される点に留意する必要があります。
例えば、A社のロボット教材をフランチャイズ契約で導入後は、B社のロボット教材は導入ができなくなります。
ロボットにはそれぞれメリット・デメリットがあるため、できれば複数のロボットを扱ったほうが子どもには喜ばれるはずです。
契約解除後の制約
フランチャイズ契約を解除した場合、一定期間は同様のサービス提供ができません。
契約によりますが、だいたい2年間程は提供できなくなってしまいます。
そのため、開業数年後に、「もうノウハウは習得したからフランチャイズ契約を切ろう」とはできないのです。
契約解除後の制約事項を把握しておくことが重要です。
料金設定には最低額が設定されている
フランチャイズ契約では、料金設定に最低額が設定されている場合があります。
これは、ブランドの統一性や競争環境の調整が目的です。
しかし、地域や市場の価格水準に合わない場合や、他の競合教室との差別化を図りたい場合に制約となる可能性があります。
事前に料金設定に関する規定を確認し、ビジネスモデルとの整合性を考えることが重要です。
フランチャイズ契約(FC)プログラミング教室開業に掛かる費用

フランチャイズ契約でプログラミング教室を開業する場合の費用はどの程度なのでしょうか。
それぞれ見ていきましょう。
フランチャイズ契約導入費
フランチャイズ親会社から提供されるブランドや教材、研修などを利用するための費用です。
具体的な金額は契約するフランチャイズによって異なります。
私が調べた中のフランチャイズの導入費用相場は、30万円~100万円程度でした。
月額利用料
フランチャイズ契約では、親会社に対して月額利用料を支払うことが求められます。
月額利用料は2パターンで、下記となります。
・月額固定
・生徒数による変動
月額固定性の場合、生徒数が少ないと赤字になります。
しかし、生徒数が増えるとお得に運用することができます。
月額固定費用の相場は3万円~10万円程度です。サポート体制や教材数によって追加で費用がかかるフランチャイズもありました。
プログラミング教室の生徒単価は約1万円ですので、3人~10人の生徒以上を獲得しなければ赤字です。
また、生徒数による変動の場合、生徒数が多くなるとそれだけ月額利用料が発生します。
利用料や月謝の20%ほどが相場です。
プログラミング教室の生徒単価は1万円ですので、1人当たり2,000円程かかる計算になります。
生徒数10人の場合、2万円の月額費用です。
研修費用
子ども向けプログラミングは、私たち教師の学生時代には無かった教材です。
そのため、ほとんどの教師はプログラミングの組み方や操作方法が分からないはずです。
フランチャイズの親会社は教師側の研修費用として1回あたり3万円程度の研修を提供しています。
追加開校費用
フランチャイズ契約を結んだ後、将来的に新たな教室を開校する場合には追加の費用が発生します。
追加開校費用の相場は1校当たり10万円~50万円程度でした。
プログラミング教室開業にかかる総費用
上記では、フランチャイズ契約における費用の紹介でしたが、プログラミング教室の開業には内装費やパソコンなどの機材代などが必要です。
プログラミング教室開業にかかる総費用は下記で解説しています。
【まとめ】子どもプログラミング教室のフランチャイズ選定方法

子どもプログラミング教室のフランチャイズ選定は重要な決断です。以下では、適切な選択をするためのポイントをまとめます。
教材
子どもプログラミング教室の成功には、充実した教材が不可欠です。
フランチャイズ親会社が提供する教材の内容や質、更新・改善の頻度などを確認しましょう。
教材が適切で魅力的な内容であれば、生徒の興味を引きつけることができ、教室の評判や成果に直結します。
費用
フランチャイズ契約には導入費用、月額利用料、教育費用、追加開校費用などが掛かります。
自身の予算とフランチャイズの費用体系を比較し、経済的な負担を考慮して選択しましょう。
また、将来的な収益性や収益の見込みも考慮して、投資のリターンを見据えた判断を行うことが重要です。
制約
フランチャイズ契約には一定の制約が存在します。他教材の導入可否や契約解除後の制約、料金設定の最低額などについて事前に理解しましょう。制約が自身の経営方針やビジョンに合致しているか、将来的な展開や独自性を考える上で制約がどの程度影響を及ぼすかを検討しましょう。